《冬月 希和》静かに本を読む女性📖
以前、通勤電車でいつも見かける女性がいた。
座っているから始発駅からなのか。その人はいつも同じ姿勢で本を読んでいた。
なぜだろうか。電車に乗るとその人をいつの頃からか探すようになっていた。
そしてその人を見ると朝が来たと思えたのだ。
ただ本を読んでいるだけ。
面白い要素もないはずの他人を見ているだけなのに、不思議と惹き付けられた。
どのような内容の本でも、言葉に集中している意識が多くの感情を抱かせるのが本であるから
その思いがオーラのようになっていたのだろうか。
まさか、他人の私に見られてるなんて思うはずもなく無意識に読んでいる姿は、とても清潔感にあふれていた。
女性の肖像画に本を読む姿は多いような気がする。
やはり美しいから描きたいと思ったのだろう。
今はスマホを見ている人が殆どである。自分も同じ。
だからたまに見かける本を読む女性がいると美しいなぁとじっと見つめてしまうのである。
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冬月 希和
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