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《村雨》鎌倉・若宮大路の『段葛(だんかずら)』とは

鎌倉駅を降り立つと

まずは小町通りで食べ歩きしながら

鶴岡八幡宮へ向かうというのが

観光の王道ルートですよね。

 

しかし!

 

これからの季節は若宮大路の《段葛》を

歩きながらがオススメ。

 

なぜって、有名な桜の名所だからです。

 

段葛は

若宮大路(わかみやおおじ)のほぼ中央を貫く

幅約9m、高さ約45㎝の参道です。

 

かつては

海寄りの一の鳥居から続いていましたが

横須賀線の敷設にともない

二の鳥居までの区間は

撤去されたそうです。

 

今でこそ

石積みや桜並木で

整備されていますが

昔は土手道だったとのこと。

 

戦後(1961~1962年)の工事で、

現在の石積みに改修されたのだとか。

 

ちなみに桜が植樹されたのは

大正時代の話だそうです。

 

その段葛ですが

実は鶴岡八幡宮に向かうにつれて、

道幅が狭まるように造られています。

 

これは、

幕府が攻め込まれにくくするため

とも言われ、

周りより一段高くしたのは

若宮大路がぬかるんで歩きづらいから

と言われています。

 

社会機能的な見方をすれば

理に適っていますが

『吾妻鏡』には、

源頼朝の妻・北条政子の『安産祈願』のために、

参詣道として造ったとあります。

 

段葛造成の目的は

防衛や水はけのためでなく

素直にこれでしょう。

 

というのも、

《参道は産道》だからです。

言霊的な意味だけでなく。

 

修験道などへの民俗学的な研究からも

指摘されていますが

神社に詣でることは

擬似的な生まれ変わりを

象徴しています。

 

段葛は

お産を楽にするために

海に向かって末広がりにした

と受け止めた方が

源頼朝の心情にも

適っているように思います。

 

ちなみに

段葛沿いには

安産祈願で有名な

大巧寺があるのですが

偶然とはいえ興味深いところです。

 

かつては、

石を置いて整えたので置石(おきいし)や

置道(おきみち)とも呼ばれた段葛。

 

今でも鶴岡八幡宮の例大祭には

沿道に《置石》と書かれた提灯が並びます。

 

 

春を感じながら鎌倉を巡りつつ

歴史も感じられると

より充実した鎌倉旅行になることでしょう。

 

そして!

鶴岡八幡宮へお詣りの際は

鎌倉ほしよみ堂へも

ぜひお寄りください。

 

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